職場での仕事や人間関係にストレスを感じている労働者は、増え続けています。ストレスは心身の健康に多大な悪影響を及ぼし、最悪の場合、自殺の増加につながります。
日本では、過労による自殺が労災として認められるようになってから、これらの問題に取り組む会社が増えてきました。厚生労働省では、ストレス検査の義務づけを提言する報告書を公表しています。
メンタルヘルス対策でいわれるこころの病気には、うつ病や統合失調症を始めとした精神疾患や精神障害などがあります。これらは、以前は個人的な要因でかかる病気と考えられてきました。うつ病は、過度のストレスなどが引き金となり、脳の神経伝達物質の働きが悪くなり、気分や思考、意欲に影響を与えるセロトニン、ノルアドレナリンの量が減ることが原因です。
うつ病には、精神症状と身体症状があり、一日の中で症状が変化していきます。精神症状は、抑うつ気分や思考や集中力の低下、人と会うのが面倒になったり、自責感にさいなまれたりします。身体症状は、不眠や睡眠過多、頭痛や疲労感などを感じるようになります。心と体の異変に気づいた時には、放っておかずに、早目に医師の診察を受け、適切な治療をすることが必要です。